【性犯罪者マップ3選】アメリカ生活の必須ツールで家族の安全を守ろう

アメリカでは、家族や子どもを守るために”性犯罪者マップ”と呼ばれるツールが利用されています。

このマップは、性犯罪歴のある人物がどこに住んでいるのかを簡単に確認できるもの。日本にはないシステムですが、治安を守るために現在アメリカでは多くの家庭で活用されています。性犯罪者マップを使えば、自宅周辺や子どもの通学路、遊び場の近くに危険がないかを事前に確認し、安心してアメリカ生活の環境を整えることができます。

この記事では、まず性犯罪者マップができた背景について触れ、次にその活用のタイミングを具体的にご紹介します。そして、数あるサイトの中でも日本人におすすめの3つをご紹介していきます。

アメリカでの防犯対策について知っていただき、役立つ情報として参考にしていただければと思います。

自分の身は自分で守る。家族の安全はしっかり確保していきましょう。

もくじ

性犯罪者マップができた背景

アメリカで性犯罪者マップができた背景には、いくつかの重大な事件が関与しています。

その中でも、特にアダム・ウォルシュ事件メーガン・カンカ事件の2つがきっかけとなりました。

アダム・ウォルシュ事件とは

1981年、フロリダ州に住んでいた6歳のアダム・ウォルシュ。母親と一緒にショッピングモールに行き、わずかな時間、母親が目を離した隙に行方不明となりました。失踪から16日後、アダムの遺体の一部が発見され、殺害されたことが確認されました。この悲劇的な事件は、子どもの安全に対する警鐘を鳴らし、アダムの父であるジョン・ウォルシュは、その後子どもを守るための活動に尽力しました。

父親のジョン・ウォルシュは、この事件を機に行方不明者の支援や犯罪者追跡のための法律制定を目指し、2006年にはアダム・ウォルシュ子供保護安全法が制定されました。この法律は、性犯罪者や危険な犯罪者に対する追跡と登録システムを強化し、現在の性犯罪者マップの基盤となっています。その後ジョン・ウォルシュは、テレビ番組「アメリカズ・モスト・ウォンテッド」の司会を務め、犯罪者の逮捕に貢献しています。

メーガン・カンカ事件とは

1994年、ニュージャージー州に住んでいた7歳の少女、メーガン・カンカ。自宅近くで遊んでいたときに、隣に住む男性によって誘拐され、性的暴行を受けた後、殺害されました。この男性は過去に子どもに対する性犯罪歴がありましたが、地域の住民は彼が性犯罪者であることを知らずに生活していました。この事件のあと、メーガンの両親は「もし彼が性犯罪者だと知っていれば、メーガンを守れたかもしれない」と訴えました。

この事件は当時全米で大きな注目を集め、性犯罪者の情報を一般に公開する「メーガン法」が1996年に連邦レベルで制定されました。メーガン法は、性犯罪者の居住地や名前を一般市民が知る権利を保障し、地域の安全を守るための重要なツールとなっています。この法律の制定により、アメリカでは性犯罪者情報の公開が義務化され、現在の性犯罪者マップの基盤が築かれました。

これらの事件をきっかけに、性犯罪者マップは「市民の安全を守るための情報公開」という目的のもと、導入されました。性犯罪者マップは、悲劇的な事件とそれに対する市民の声を受けて作られたものであり、現在では多くの人が安全確認のために利用する重要なツールとなっています。

活用するタイミング

アメリカで性犯罪者マップを使用するタイミングや頻度について説明していきます。

日本でも、子どもの登下校や遊び場での安全を心配する親は多いですが、アメリカでは性犯罪者の居住情報が公開されており、親が子どもの安全を守るための一つのツールとして利用されています。

活用できるものはできるだけ多く活用し、子どもたちの安全を日頃から守る意識をしていきましょう。

引っ越しや物件探し

新しい場所に引っ越す際、その地域が安全かどうかを確認するのは日本でも一般的ですが、アメリカでは性犯罪者がどこに住んでいるかを事前に調べることができます。家族で新しい家を探しているときは、学校や公園、住宅街の近くに性犯罪者が住んでいないかを確認するのが重要です。

例えば、日本で家を選ぶ際に「子どもが遊びやすい場所かどうか」を気にするのと同じように、アメリカでは「周囲に危険な人物がいないか」を性犯罪者マップで確認するのが一般的です。引っ越し前には複数回、物件候補ごとにマップを確認することをおすすめします。

「子どもたちにとても優しく気さくに接してくれていたお隣のおじいさんが、調べてみたら小児性愛者だった。」「とても気のいいひとだったので数時間子どもを預かってもらったことがあった」といったことも報告されています。引っ越しの前に必ず確認をしてみましょう。

子どもの通学路や公園の確認

子どもが一人で学校に通う場合(アメリカでも合法な地域が多数あります)や、友達と公園で遊ぶことが多い時には、その周辺に危険な人物がいないか確認を。学校や公園周辺の性犯罪者情報がマップで確認できるため、安心して子どもを送り出すために定期的にチェックすることが推奨されます。

特に、新学期の始まりや習い事を始めるタイミングで確認しましょう。日本で保護者が子どもの交通安全を確認するように、アメリカではこのマップを使って地域の安全性を確認するのが一般的です。

新しい職場に勤めるとき

あなたが働いている職場が子どもを連れていける環境にあるなら、その周辺の安全性も確認しておくのがベター。定期的にマップを確認することで、変化があった場合にもすぐに対応できるようになります。

イベントや旅行の前

家族で旅行に行く際や、子どもが参加するキャンプやイベントがあるときは、その開催場所が安全かどうかを事前に確認します。特に、長期の滞在や大勢の子どもが集まるイベントでは、周辺に性犯罪者がいないかを前もって確認することが大切です。

日本でも、子どもがキャンプや遠足に行く前に、その場所の安全性を確認することもあるとおもいますが、アメリカではこれに加えて性犯罪者マップを利用することが一般的です。

季節ごとの定期確認

季節の変わり目、特に子どもが夏休みや冬休みに入る前、また新学期が始まる時期に、定期的に性犯罪者マップを確認するのもいいと思います。性犯罪者も私たちと同じように引っ越しをするため、年に数回確認する習慣を持ちましょう。最新の情報に基づいて子どもの安全を守ることができます。

おすすめ3選

それでは、ここで日本人におすすめの性犯罪者マップを3つご紹介します。それぞれのウェブサイトには長所と短所があるので、それも一緒にみてご自身に合ったサイトを活用してみてください。

Family Watchdog

Family Watchdogのトップページ

Family Watchdogは、アメリカ国内で性犯罪者に関する情報を手軽に調べられるウェブサイトです。自宅や職場、学校周辺の安全を確認するために使われており、特に子どもを守りたいと考えている親御さんにとっては有益なツールです。

いいところ
  • 操作が簡単でわかりやすい
    Family Watchdogの最大の魅力は、その使いやすさ!住所や郵便番号を入力すると、地図上にアイコンが表示され、クリックすると性犯罪者の詳細情報がすぐに表示されます。複雑な手順を踏まずにアクセスできるため、英語があまり分からない日本人でも簡単に検索することができます。
  • 基本的な機能が無料で使える
    Family Watchdogは基本的に無料で使うことができます。性犯罪者の基本的な情報は、会員登録や料金を支払うことなく確認できるため、経済的な負担をかけずに必要な情報を手に入れられるのも長所の一つです。追加の情報を知りたい場合には有料プランがありますが、基本的な情報は無料で十分です!
  • 写真と詳細な情報の提供
    性犯罪者の名前や住所だけでなく、顔写真、犯罪の種類や時期、住所の他、身体的な特徴などの詳細情報も公開しています。性犯罪者の外見や居住地を含め、より具体的な情報を得ることができます。
わるいところ
  • 情報の正確性や更新頻度に限界がある
    政府が運営する公式のデータベースとは異なり、民間のウェブサイトであるため、情報が常に最新であるとは限りません。特に、性犯罪者が引っ越しをしたり、適時更新されない場合、表示されている情報が最新のものではない可能性があります。
  • 地域によっては過剰な不安を招く可能性がある
    地図上に犯罪者が多数表示される地域もあります。特に、犯罪件数が多い都市部や人口密集地では、このような情報が不安を増幅させる可能性があるため、不安を感じやすい方は注意が必要です。
  • 情報が非公開の地域もある
    州ごとに異なる法規制があるため、性犯罪者情報が一般公開されていない地域や、公開されている情報が制限されている場合もあります。そのため、表示される情報が必ずしも包括的ではないことを頭に置いておく必要があります。

アメリカに来て間もない日本人でも手軽に利用できる性犯罪者情報検索ツールとして、多くの日本人が利用しているウェブサイトです。無料でアクセスできること、簡単に情報が手に入ることから、特にお子さんのいる家族に人気があります。一方で、情報の正確性や更新頻度、地域によっては表示されない情報があるため、理解した上で利用しなければなりません。

OffenderRadar

OffenderRadarのトップページ

OffenderRadarは、アメリカ国内の性犯罪者情報を簡単に検索できるツールで、自宅や職場、学校周辺の安全を確認するために便利なサイトです。各家庭や地域コミュニティの安全を守るためのリソースとして、多くの人々に活用されています。

いいところ
  • 操作がシンプルで直感的
    OffenderRadarもFamily Watchdog同様とてもわかりやすく、住所や郵便番号を入力するだけで性犯罪者の情報を表示することができます。また、トップページの下部にある”Offender Registry By State”では州ごとの登録者が分かります。
  • 無料で利用できる
    OffenderRadarもFamily Watchdog同様基本的に無料で利用ができます。性犯罪者の名前、写真、犯罪歴、住所などの情報がすべて無料で閲覧でき、追加の費用がかからない点は、利用者にとって大きなメリットです。
  • 包括的な情報提供
    OffenderRadarは、Family Watchdogより各性犯罪者の詳細な情報が見やすいです。犯罪履歴に加え、住所や身体的特徴などの具体的な情報が一目で分かります。
わるいところ
  • 情報の正確性に限界がある場合がある
    OffenderRadarもFamily Watchdog同様、データが常に最新であるとは限りません。サイト上の情報が古くなっていることを頭に置いて利用する必要があります。
  • 情報が表示されない地域がある
    性犯罪者情報の公開に関しては、州や地方自治体によって異なる法律や規制が存在するため、OffenderRadarが提供する情報がすべての地域で包括的ではない場合があります。
  • 一部の利用者に過度な不安を与える可能性
    OffenderRadarもFamily Watchdog同様、利用者が不安や恐怖を感じることがあるかもしれません。そのため、利用者は冷静に情報を受け取り、あくまで防犯対策の一環として活用することが大切です。不安を感じやすい方は利用を控えましょう。

OffenderRadarもシンプルで使いやすいですが、Family Watchdogほどではありません。

英語が得意でない日本人の場合、Family Watchdogの方が使いやすく見やすいと思います。

Dru Sjodin National Sex Offender Public Website (NSOPW)

NSOPWのトップページ

Dru Sjodin National Sex Offender Public Website (NSOPW)は、アメリカ国内の性犯罪者情報を一元的に提供する公式のウェブサイトで、全米50州、ワシントンD.C.、準州、そしてアメリカ先住民部族のデータベースをまとめて検索できるのが特徴です。

このサイトは米国司法省が運営しており、性犯罪者の名前や住所、写真、過去の犯罪歴などの情報が提供されています。NSOPWは、性犯罪者がどこに住んでいるか、どこで働いているか、どの学校に通っているかなどを調べることができます。

このウェブサイトは、2003年に誘拐され殺害された大学生のDru Sjodinにちなんで名付けられました。

ドルー・ショディンについて

2003年、ノースダコタ州の大学生Dru Sjodin(ドルー・ショディン)が誘拐され殺害されるという事件が発生しました。Druはミネソタ州のショッピングセンターからの帰り道で行方不明となり、捜索の結果、数ヶ月後に彼女の遺体が発見されました。容疑者として逮捕されたのは、過去に性犯罪で有罪判決を受けて仮釈放中だった男性で、彼は近隣の州でDruを襲い、殺害したことが判明しました。

この事件をきっかけにNSOPWが創設。以降、地域社会が性犯罪者情報にアクセスしやすい体制が整えられました。Druの名前が冠されたこのシステムは、彼女の死を無駄にせず他者を守るための象徴となっています。

いいところ
  • 信頼性が高い公式サイト
    米国司法省が運営しており、全国の法執行機関から提供される情報を元に毎日更新されるため、最も信頼性の高い性犯罪者データベースです。データは常に最新で、正確さが重視されているため、安心して利用できます​。
  • 包括的な情報の提供
    性犯罪者の住所や居住地域だけでなく、性犯罪者がどこで働いているのか、どの学校に通っているのかまで詳細に提供しています。また、性犯罪者の身体的特徴や車両情報、過去の犯罪歴なども含まれており、幅広い情報を得ることが可能です。
  • 無料で利用できる
    完全に無料で利用することができます。性犯罪者の情報を検索するために料金を支払う必要がなく、誰でも自分の住む地域や気になる場所の安全情報を確認できるのが大きなメリットです。
  • 全米を対象にした広範なカバー範囲
    NSOPWは、すべての州、準州、ワシントンD.C.、そしてアメリカ先住民部族のデータを含んでいるため、どの地域に住んでいても一貫して情報を取得することができます。アメリカ国内で移動が多い人や新しい場所に引っ越す人におすすめです。
わるいところ
  • 使い方が少し複雑
    情報量が非常に多いため、初めて利用する人には難しいかもしれません。また、専門用語や犯罪コードなどが多く使われているため、英語が苦手な人にとっては非常に難易度が高いです。アメリカ人にとっても難しい言葉が並びます。情報が詳細すぎて、一般の利用者には理解しにくい部分があるので、渡米して間もない方にはあまりおすすめできません。
  • プライバシー問題の懸念
    性犯罪者の情報が広く公開されることで、プライバシー侵害ではないかと一部からは指摘されています。
  • スマホ向けの最適化が弱い
    パソコンで調べる際には非常に便利ですが、モバイル端末での利用はやや使いづらいことがあります。スマホ検索だと少し見づらく、アクセスするのに時間がかかる場合があります。利用する際はパソコンを使用することをおすすめします。

Dru Sjodin National Sex Offender Public Website (NSOPW)は、アメリカ国内で性犯罪者情報を最も正確に提供する信頼性の高いウェブサイトです。

ただし、情報量が多いため、使い方に慣れるまでは少し時間がかかることがあると思います。特に日本語が母国語の日本人には難しい表現がたくさん出てくるので、最初は難しいかもしれません。

ですが、子どもの安全、ご自身の安全を守るために一番必要なのは”正確で詳細な情報”です。正確な情報を得るためには、このDru Sjodin National Sex Offender Public Website (NSOPW)は欠かせない存在です。

まとめ

アメリカの性犯罪者マップは、地域社会の安全を守るために必要不可欠。引っ越しや新しい学校、旅行前などのタイミングで確認することで、家族の安全を強化できます。

また、紹介したおすすめサイトは、どれも操作が簡単で利用しやすく、日本に住んでいる方で、これから渡米予定の方にも参考になるはずです。

安全な環境を整えるために、性犯罪者マップの活用を習慣にしてみてください。

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