アメリカでの生活を控えている皆さんにとって、治安の良いエリアを選ぶことは安心で安全な生活の基本です。
アメリカは地域ごとに治安状況が大きく異なり、特に初めて渡米する方や引っ越しを考えている方には、治安の悪い地域を見分けるための知識が必要不可欠。実際、多くのアメリカ人がこうしたツールや情報源を活用して防犯対策をしていますが、在米日本人の方、とりわけ英語が得意でない方には馴染みがなく、聞いたことのないものかもしれません。しかし、これらは非常に一般的なものであり、特にお子さんがいるご家庭にとっては知っておくべき大切な情報です。
これから紹介する5つの方法を知ることで、犯罪被害に遭う確率を下げ、安心してアメリカ生活をスタートさせる手助けとなるでしょう。
1.犯罪データマップを利用する
アメリカでは、地域ごとの犯罪発生状況を示す地図やアプリが広く活用されています。こうしたツールを使うことで、引っ越し先や外出先の治安を事前に確認し、安全なエリアを見極めることができます。
たとえば、『SpotCrime』や『CrimeMapping』といったアプリは、特定のエリアで発生した犯罪情報を地図上に表示し、リアルタイムで犯罪動向を把握できます。エリアごとに発生する犯罪の種類(暴力犯罪、窃盗、薬物関連など)を色分けしたりアイコンで表示しており、視覚的に理解しやすいよう工夫されています。また、過去に発生した犯罪の履歴も確認できるため、その地域の長期的な治安傾向を調べることもできます。
一部のアプリでは、特定の場所で犯罪が発生した際に通知を受け取る機能もあるため、外出先でもリアルタイムで治安状況を把握することができてとても便利です。
これらはアメリカ人には広く使われている一般的な防犯ツールですが、アメリカに来て間もない方、英語に不安のある方にとっては馴染みが薄いかもしれません。しかし、引っ越しや旅行前の治安確認にはとても役立つため、試しに一度使ってみることをおすすめします。
2.地元警察の情報を得る
アメリカでは、多くの地元警察や自治体がウェブサイトで地域の犯罪情報や犯罪統計を定期的に公開しています。
こうしたウェブサイトでは、犯罪発生件数、犯罪の種類、発生場所などが詳細にまとめられており、最近の傾向を把握するのに役立ちます。たとえば、警察のページには定期的な犯罪レポートや警戒すべきエリアに関する情報が掲載されている場合もあります。
最近ではSNSアカウントを持っている地元警察も多く、X(旧Twitter)・Facebook・Instagram・TikTokなどでリアルタイムで情報提供するところも増えているので、アカウントをお持ちの方はフォローしてみるといいでしょう。
また、地域のニュースやローカルのニュースアプリも、最新の犯罪情報を把握するための便利な情報源です。
地域ニュースには治安悪化の兆候や特定エリアで頻発する犯罪についての情報が掲載されることが多いため、ニュースのチェックも定期的に行うと良いでしょう。英語が不安な方も、翻訳機能が付いたアプリもあるので活用することでハードルを下げられます!
特定の生活エリアや出かける先の治安状況を把握しやすくなり、危険エリアに間違えて入ってしまうなどということを避けるための対策が可能になります。地元の警察やニュースは、地元住民がリアルタイムの治安状況を知るために欠かせないツールですので日本人にとっても同じく必要な情報です。
現地の口コミやレビューサイト
アメリカで治安の良し悪しを確認するには、地元住民の口コミやレビューサイトも非常に役立ちます。
『NeighborhoodScout』や『Niche』といったサイトでは、地域の安全性や住みやすさについて、実際にそのエリアに住んでいる人々の口コミや評価が掲載されています。各エリアの犯罪率や治安の評価に加え、学校の評価や通勤環境、家族向けの住環境など、多角的な情報を確認することができます。地域ごとの安全度は星や点数で表示されるため、視覚的にもわかりやすく、エリアの治安を把握しやすいのが特徴です。
たとえば、『NeighborhoodScout』では犯罪リスクをわかりやすく色分けしており、犯罪が多いエリアと比較的安全なエリアの違いが一目でわかるようになっています。また、『Niche』では学校のレベルや近隣環境の満足度なども確認できるため、お子さんがいる家庭には特におすすめです。
アメリカのレビューサイトは地元の人たちのリアルな声が反映されており、公式な犯罪データだけでは見えにくい地域の雰囲気もつかむことができます。こうしたサイトを参考にすることで、引っ越し先や訪問予定のエリアが自分や家族にとって安全かどうかを確認でき、安心して生活環境を選ぶことができます。
FBIのUCRデータ
アメリカ全土の治安情報を客観的に確認したいときに役立つのが、FBIが提供するUniform Crime Reporting (UCR)データです。
このUCRデータは、FBIが全米の州や市から収集した犯罪統計で、各エリアの犯罪発生率や犯罪の種類ごとに統計情報がまとめられています。UCRデータを使うことで、地域の治安状況を詳細に知ることができ、特定のエリアが他の地域と比べてどの程度安全かを把握するのに便利です。
UCRデータには、殺人や強盗、暴行、窃盗などの主要な犯罪カテゴリー別、エリア別に発生件数が公開されています。例えば、引っ越し先候補の市や町のデータを確認し、全国平均や州平均と比較することで、その地域の犯罪発生率が高いのか低いのかを客観的に判断できます。
特に大都市やその周辺地域で生活する場合には、エリアごとの犯罪傾向を知ることで、防犯対策を具体的に検討する手助けとなります。アメリカの多くの市や町がこのデータを利用して防犯プランを立てているため、信頼性の高い情報源として参考になります。UCRデータは英語表記ですが、インターネットの翻訳機能を使えば、英語が苦手な方でも基本的な情報は把握できると思います。
昼夜に実際に足を運んで観察する
治安の良し悪しを見極めるには、実際にそのエリアに足を運んで日中と夜間の様子を観察するのも一つの方法です。
たとえば、昼間は人通りが多くても、夜になると人がまばらで暗い場所は、治安が悪い可能性が考えられます。空き家が多い、街灯が少ない、建物や歩道が荒れているといった状況も、一般的には治安が良いとは言えません。
ただし、夜間にエリアの様子を確認する場合は、細心の注意が必要です。アメリカは男性であっても、複数人であっても夜に出歩くべきでないエリアが存在するため、自己責任で行動するようにしましょう。また、夜間にエリアを見に行く際には、子どもは絶対に連れて行かないようにしてください。もし不安がある場合は、地元の治安情報を事前に確認するか、昼間のみに訪れるようにするのも一つの方法です。
実際にそのエリアに住んでいる人の様子や、周辺に店舗が開いているか、夜間に定期的にパトロールしている警察車両があるかなども、治安を判断する材料になります。これらの要素をもとに総合的に観察することで、安全なエリアかどうかを見極めてください。
まとめ
アメリカで安全なエリアを選ぶためには、事前に治安状況をしっかりと確認し、慎重に情報を集めることが大切です。
今回ご紹介した5つの方法を活用することで、住む場所や訪れるエリアの安全性を確かめることができます。アメリカは日本とは異なる治安環境があるため、細心の注意を払って行動し、可能な限り防犯対策を心がけることが重要です。
この記事が、安心で安全なアメリカ生活を送るための手助けとなってくれると嬉しいです。
引っ越しや渡米前にぜひ参考にして、安全な環境づくりにお役立てください。