アメリカで生活していて、”性犯罪者マップ”という言葉を耳にしたことがあると思います。
このマップは、性犯罪歴のある人の住所や勤務先を地図上で確認でき、周囲で生活していくうえでリスクがないか把握するために役立ちます。日本ではあまり馴染みのないシステムですが、特にお子さんを持つ親御さんにとって、安心して暮らすために便利なツールとして有名です。
今回ご紹介する「Family Watchdog」は、性犯罪者マップの中でもとても人気のあるサイトです。
例えば、お子さんが学校に通う新しいルートを決める際や、引っ越し先を検討する際、Family Watchdogを使えば、郵便番号や住所を入力するだけで、近隣に住む性犯罪者の情報を確認することができます。また、性犯罪者が引っ越してきた際に通知を受け取る機能もあり、安全情報を得ることができます。
この記事では、Family Watchdogの具体的な使い方や機能の活用方法、さらにメリットや注意点について詳しく解説します。
「英語が苦手で調べるのが難しい」という日本人の方でも、この記事を見て簡単にFamily Watchdogを使っていただけるはずです。
性犯罪者マップとは
アメリカでは、地域の安全を守るために性犯罪者マップが広く利用されています。
このマップは、過去に性犯罪歴のある人の住んでいる場所や職場、学校の情報を地図上に表示し、一般の人々が周囲にどのような性犯罪者が住んでいるかを確認できるようにしたものです。性犯罪者マップが作られるようになった背景には、子どもが被害に遭った痛ましい事件があり、こうした事件を受けて、住民が近隣に住む性犯罪者について知る権利が認められました。
その結果、1996年には「メーガン法」が制定され、性犯罪者の情報公開が義務化されたのです。
特に、アメリカに来て間もない方にとっても、自分の住む地域がどのような環境かを把握するための重要な参考資料になります。アメリカでの生活を安心して送るために、性犯罪者マップの使い方や役立つ場面を知っておきましょう。
Family Watchdogとは
Family Watchdogは、アメリカで人気のある性犯罪者マップの一つ。
操作が簡単で誰でも無料で利用できます。このサイトは、郵便番号や住所を入力するだけで、指定した地域に住む性犯罪者が地図上に表示され、犯罪者の名前、住所、過去の犯罪歴などの詳細情報を確認することができます。視覚的に分かりやすいマップが特徴で、性犯罪者が住む場所や働く場所がひと目で分かるため、アメリカに来たばかりの方でも使いやすいサイトです。
また、性犯罪者の情報だけでなく、登録された性犯罪者が指定した住所から5マイル以内に移動した際に通知を送る機能があります。特定の性犯罪者に住所変更などがあった場合にも通知を受け取ることができます。さらに、毎月役立つ情報が手に入るニュースレターを発行し、利用者が投稿できるブログも運営しています。
親が子どもの安全を守るためのツールとして無くてはならないものです。
使用上の注意
Family Watchdogのウェブサイトを利用するにあたっていくつか注意点があるのでお伝えします。
また、検索をしても地域が表示されなかったり、あるいは新興住宅など新しいエリアでピンが確認できない場合がありますが、Family Watchdogは第三者機関の地図システムを使用しており、約6か月ごとに更新されます。
これらの文章は日本語訳し、分かりやすく意訳したものですので、詳しく確認したい方はこちらをご覧ください。
使い方の説明
ピンの意味
まず、地図上に現れるアイコンとピンの意味を説明します。
- 赤いピン→子どもへの犯罪(Offenses against children)
- 黄色いピン→強姦(Rape)
- 青いピン→性的暴行(Sexual battery)
- 緑色のピン→その他の犯罪(Other offenses)
薄い色は【犯罪者の自宅】、濃い色は【犯罪者の自宅以外(職場や学校など)】を表します。
お子さんのいる方は、赤いピンのなるべく少ない地域を選ぶといいでしょう。
基本の使い方
Family Watchdogの使い方はとても簡単。
今回はサンフランシスコのCity Hallを自分の住所だと思って検索にかけてみます。
まずは初めて使う方、英語があまり得意ではない方に”とりあえず覚えてほしい操作”をお伝えします。
確認は以上です!たったの4ステップ!簡単ですよね。
「とりあえず知りたい」「場所だけ確認して(通勤・通学)ルートを決めたい」という方はこれだけでも十分だと思います。
特に不安を感じやすい方、調べてかえって心配が増えてしまいそうな方はここまででOKです。ご自身の心を守るのも防犯には欠かせない考え方です!
応用の使い方
では。もう少し詳しく調べたいという方、どこを見ればいいのでしょうか。
先ほどと同じページをもう少しだけ下にスクロールします。
”Charges”をクリック→”Charge details ”を確認しましょう。
Charge detailsとは、起訴内容のことです。
14歳以下に対する犯罪だった場合、お子さんのいるご家庭はその家の前は通らないようにするなどの対策を取るといいでしょう。
”Markings”をクリック→犯罪者の体にタトゥーや傷が無いか確認できます。
ここで確認できるのは有無のみ。どんなものがあるかまでは確認できませんが、それでも知らないよりはよっぽど重要な情報ですので、確認だけでもしておくといいでしょう。
どう活用するか
Family Watchdogで得た情報は単に”知る”だけでは防犯として不十分です。
きちんと活用しないといけません。
活用方法はいろいろありますが、ここではいくつか例を挙げていきます。
- 引っ越し前に
- 職場の周りの確認に(駐車場から職場まで、駅から職場までのルートなど)
- 普段遊んでいる公園の周辺の確認に
- 子どもの通学路や習い事の周辺の確認に
- ハロウィン前、Trick or Treatの前に
筆者は少なくとも年に3回は確認しています。
そして、子どもを学校に送っていくまでの通学ルートでは、子どもへの性犯罪で捕まった人の家の前は通らないようルート設計をしています(毎年)。これは車で送迎する時であってもです。
小児に対して性犯罪を繰り返している人の家の前を通り過ぎるというのは『お腹が空いていて我慢している人におにぎりを見せびらかすこと』と同じようなもの。今日までは我慢できていたけど、明日はおにぎりを強奪するかもしれない。その可能性を少しでも減らすために必要な防犯対策です。
「そんな大げさな」「うちの子に限ってそれはない」
そう感じる方は、この性犯罪者マップができた事件とその経緯をもう一度良く考えて欲しいです。
被害者遺族の思いを自分事として受け取ってほしいなと思います。
メール通知機能
Family Watchdogにはメール通知機能もあります。登録すると性犯罪者が新たに近隣に引っ越してきた際や、重要な情報に更新があった際に通知を受け取ることができます。
トップページの”Sing Up”下にある『Find Out More』をクリック。
ログインID、パスワード、e-mailアドレスと電話番号(オプション)を入力すると通知が受け取れます。
この機能を活用することで、定期的にサイトをチェックしなくても、周辺の安全状況を把握できます。いつでも最新の安全情報を手に入れることができるので、気になる方はぜひこの機能を活用してください。
長所と短所
Family Watchdogの長所と短所も見ておきましょう。
- 日本人にも使いやすい
郵便番号や住所を入力するだけで周囲の性犯罪者情報が地図上に表示されます。とてもシンプルでわかりやすいため、英語が得意でない方、技術に詳しくない方でもストレスなく利用できます。 - 十分な情報量
性犯罪者の住所、写真、犯罪歴などの詳細が確認でき、ご自身やコミュニティの安全を把握するにはこのウェブサイトで十分です。 - 無料通知機能
家の近くに性犯罪者が引っ越してきた際、メールやテキストで通知を受け取れます。自らウェブサイトに何度もアクセスしなくても情報を得られるため、忙しい方にも安心です。
- 更新が遅い
住所変更などの情報がすぐに反映されない場合があり、必ずしも最新情報ではない可能性があります。 - 地域によって情報に制限がある
州や地域ごとの法規制により、情報が制限されている場合があります。そのため、すべての性犯罪者が表示されないこともあります。 - 過度の不安を誘発する可能性も
犯罪者が多く表示される地域に住んでいる方にとっては不安を感じることもあります。防犯のため、安全を確認するためのツールですが、活用する際には注意が必要です。
まとめ
Family Watchdogは、アメリカに暮らすすべての人が安全に暮らすために欠かせないツールです。
性犯罪者マップというもの自体日本にはないシステムですが、地域の安全情報を簡単に確認できるため、特にアメリカに住んで間もない方や小さなお子さんがいる家庭には非常におすすめです。
アメリカでの生活を安心して送るためのサポートとして、Family Watchdogをぜひ役立ててみてくださいね。